魔女ドル・深月ユリア「魔女の血を引く666歳」?
魔女の家系のポーランド人の母親と、アイヌのシャーマンの血を引く父親を持つ。「私は魔女の子孫です」ときっぱり。確かに赤と黒の魔女をイメージしたコスチュームがよく似合う。年齢は「666歳」とのこと。ミステリアスな「魔女ドル」だ。「魔女の持つ予知能力で、私の人生そのものを美しいアートにしたいんです。10年後には『魔女ドル』から『魔女優』になりたいです」(村上智博)
物心ついたころから金縛りによく遭い、ポルターガイスト現象に出くわしたという。言い寄ってくる男性がいても、「なぜか背後霊が邪魔をして、なかなか恋は成就しない。元カレの中には、心を病んでしまった人もいました」と打ち明ける。
日ごろは、世の中が寝静まった真夜中に頭がさえ出すという。毎日、丑三つ時(午前3時ごろ)になると、枕元でおまじないを始める。「神秘的な時間で、頭もさえる。パワーが出てきて、魔術もかかりやすくなりますから…」
1日に15分ほど、恋愛成就や豊作などを祈る「白魔術」をかける。手元にはポーランドに伝わる魔術の教典のような書物を置く。そのイロハは母親に教わったそうだ。呪術(じゅじゅつ)で相手をのろう「黒魔術」をかけることもある。そんなとき、何かの弾みで相手もかけてきていることが手に取るように分かることがあるという。
ときには体調が優れないときもある。そんなときは、霊気を取り入れようとパワースポットをめぐる。ポーランドの山奥の竜が出たと伝わる洞窟(どうくつ)に出かけて、一人でたたずんでみたこともある。「そうすると、心が落ち着きます」
「魔女ドル」として騒がれる前から、不思議なオーラがあった。高校ではダンスサークルに入り、ベリーダンスにはまり込んだ。
慶応大学ではイスラエルとパレスチナとを和解させようと試みるインカレの団体に所属し、フラメンコ仲間の集まるサークルにも入会。大学生活を満喫していたちょうどそのころ、東京・渋谷でスカウトされた。
芸能界入りから3カ月後には、早くも映画「カタナーマン」への出演を果たす。カスタネットを鳴らしながらフラメンコを踊る魔女役。他にも、秋葉原を舞台にした映画で、黒ずくめのゴスロリ趣味のある女性を演じたこともある。「表現するのが好きで、気後れはしませんでした」と振り返る。
最近ではオリジナルビデオの脚本も書き始めた。「政府がバンパイアのウイルスを闇医者に作らせ、人は政府の奴隷になるというサスペンスホラー。詳しい内容は…ウフフフフ」
実は、自主映画のプロデューサーとしての顔も持つ。「月明かりのきれいな夜に」というタイトルだったそうだが、「知人に持ち逃げされてしまいました…」と、多くを語ろうとはしない。
でも、めげない。今は悪魔の宗教者に乗っ取られた修道院を舞台にした自主映画を編集中。年内には公開に踏み切る考えだそうだ。4月にはマフィアやヤクザの世界を描いたオリジナルビデオの撮影にも取りかかる。「闇病院にいる占い師として自分も出演する予定です」と張り切る。
スクリーンでの活躍に加え、独学で身につけた占いも2年前から本格的に始めた。得意技はタロット占い。「魔女の予知するパワーが、占いでも発揮できている。念じることで通じるんです。堕落した人が占いで立ち直ったりするなど、占いをきっかけに起業した人も多い。私、あげまんでしょ」と笑い飛ばす。4月には秋葉原に占い館をオープンさせる計画もあるという。
さらにさらに、大学卒業後に自ら芸能プロダクションも設立している。今や約50人のタレントらを抱える“大手”なのだ。
今春からは、CS放送のホラーバラエティー番組「世界一恐ろしい心霊スポットふぁいる」にも出演することが決まった。「魔女ドル」に「占い」に「映画」にと、活躍の場は広がるばかりだが、まだ自分の人生に納得はしていない。本領発揮はこれからだ。